事務所で残業中に,本の山の中の1冊が,「私を読め!!」訴えかけてきたので,手に取っていい加減に開いてみるとと,
「10年前の東京進出時,○○は,最後発でした。最後発の事務所がどんな市場を定義して,どんな営業の仕方をするのか。それは,しっかりと考えなければいけません。ほとんどの先生は,既存のマーケットである中小零細企業が顧客であり,これからのセールスポイントは3号業務(相談・コンサルティング業務)だとおっしゃいます。
それは正しいですが,それでは皆がやっているので,我々が行っても勝てないだろうと思います。だから違うことができないだろうかと考えました。考えることが重要です。それで大企業向けの1号業務というマーケティングに特化するわけです。我々は,こうやってマーケットをセグメントして仕事を始めています。」
(佐藤良雄・榊原陸[著]『国内最大級の士業グループを築いた士業経営者が語る 企業化する士業と,勝者のメンタリティ』
[2020,金融ブックス])
素晴らしい!!目からウロコ(鱗)です。
「戦略」は,なるほど,こうあらなければなりません。
が,考え方は,直ちに私の思考の中に刷り込まれましたが,各論はというと,別のようです。
引用した方の事業展開は,拡大志向で,大量生産方式と組織の大規模化が,マネジメントの軸だからです。
私が,今志向しているのは,「外の世界への奉仕という組織にとっての唯一の存在理由からして,人は少ないほど,組織は小さいほど,組織の活動は少ないほど,組織は完全に近づく」という,意外にドラッカーの一節です。
ふと,20年以上前,独立して事務所を構えて数年のころ読んだ本,牛島信『株主総会』(1997年,幻冬舎)の一節を思い出しました。
「後発は明確に優れていなくてはならない」
還暦を迎えましたが,本業では,初心に戻り,いろいろと思考錯誤中です。
私の方向はやはり,社労士業務で喩えれば,やはり,中小零細企業を対象にして,3号業務なのです。
では,差別化の軸はなにか?
とりあえず,最近の考えをまとめると,いささか舌足らずではありますが,こんな感じです。
さて,「コロナ禍」のあおりで,「士業ネットワーク」(ある日)のお休みが続きましたが,来年草々には,「復活」の会を実施いたしたく,当たり前の,次のマトリックスとにらめっこしています。