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第13話 連載2年目突入。弁護士前田尚一について

月刊「財界さっぽろ」2020年03月取材

生活に潜むリーガルハザード

本質を見誤ると大変 真の解決に導く

この連載も2年目に入りました。ちょっと脱線しますが、今回は私、前田尚一の自己紹介をかねた話をしたいと思います。

30年以上の弁護士人生の中でたどり着いた結論は、「法律」は弱い立場にあるからといって味方せず、〝法律を知っている者に味方する〟ということです。

見習い期間も含め、さまざまな案件を経験する中で、本質に迫って本当の解決は何かを見抜かないと、真の解決はあり得ないということに気づかされました。

人間は時に感情にまかせ、本来の目的や使命を見失うものです。例えば憎むべき相手がいたとして、徹底的に追い詰めることと、自分が得することは別の問題なのです。出来事の全体像を検証し、目的を明確にして筋道を立てることが極めて重要であり、沈着冷静に正しい道に導くことが、われわれ弁護士の役目だと感じています。

 

報道・世論が正解? 全体像をつかむには

弁護士登録を果たしたのは1989年。当時の札幌では珍しく企業法務を主軸とする事務所に勤務しました。思い返せば、経済の実態にかかわる場面を近い位置から見られたことは、私の弁護士人生の中で大きなポイントです。

例えば株式公開したばかりの会社の株主総会対策、労働委員会で処理される対労働組合との労働事件の対処なども新米弁護士の私に任されるのです。大変でしたが貴重な経験ができました。

独立初期に担当したのが「円山葬儀場建設反対事件」でした。95年2月に解決した際の読売新聞では「市交通局所有地に葬儀場建設を計画したことに、地元住民や隣接する宗教団体が反対。同年8月に土地の賃貸契約を結んだ市交通局も巻き込み、昨年3月から相次ぐ訴訟合戦に発展していた」と紹介されています。

世間では円山住民の〝エゴ〟と捉えられていました。しかし実態は、住民不在のパワーゲームであり、ポイントを潰していくと流れが大きく変わりました。それまでエゴの住民運動と決めつけて動いていた市、警察、マスコミの姿勢・対応が一変し、建設中止の方向に働いたのです。

現代においてはどうでしょうか。例えば録音データは切り貼りされ、その前後の会話がわからないまま一部だけが一人歩きをしてしまう。

新たな事実が発覚すると、裁判官気取りのインターネットユーザーをはじめとする世論は簡単に手のひらを返す。マスコミの報道も大小さまざまな〝印象操作〟が横行しています。

こんな時代だからこそ物事の本質を見失わず、すべての事案には異なった背景が隠れていることを忘れてはなりません。弁護士だけが奮起するのではなく、依頼者の協力姿勢の重要性も増しています。

前田尚一法律事務所:フリーダイヤル 0120・48・1744

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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