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第11話 横行する〝カスハラ〟から担当者を守れ!

月刊「財界さっぽろ」2020年01月取材

生活に潜むリーガルハザード

従来から、モンスタークレーマーとか、モンスター顧客という言葉はありました。しかし、営業妨害対策の観点からとらえられていました。
現在は、一気に、従業員をどう守るかという観点に重点がおかれるようになり、「カスハラ」という言葉も皆知っています。
従業員はそのような場で対応しなければならないことそれ自体に嫌悪し退社にまで至るとか、そのような場での勤務が予想される会社には就職しないなどといったことが現実化しています。
今、構造的な「人手不足」の時代。その失策は、企業の死活問題ともなりかねません。

ハラスメントも多様化〝カスハラ〟って何?

「カスハラ」労災10年で78人、24人が自殺。悪質クレーム対策急務――10月23日の毎日新聞の見出しです。

「カスハラ」とは、カスタマーハラスメントの略であり、顧客や取引先からのクレームによるハラスメントのことです。セクハラ、パワハラ同様、事業主は労働者の安全に配慮しなければなりません。

社会生活での不満を背景に、弱い者を攻撃するという潮流の中、「自分は正しい」と思い込んで理不尽な要求をするモンスタークレーマーが激増しています。消費者を保護する法制度が拡充し続けているのも大きな要因であり、企業の存続・発展を考えれば、喫緊の最重要テーマでしょう。

クレーム対応の定番は、今も昔も現場対応者のスキルアップとマニュアル化です。モンスタークレーマーかどうかを区別し、適切に対応することが不可欠といわれていますが、とうてい無理があります。そもそもクレーム処理の鉄則といっても、接客のプロと呼ばれる特殊な能力を備えた人々の職人芸であったり、法的手段という最終的武器を備えた弁護士らの上から目線の理屈がほとんどです。
通常業務をこなすことに四苦八苦している現場担当者に、それを求めるのは非現実的です。

 

モンスターと対峙する仕組みづくりが重要

しかも〝モンスター〟と対峙する担当者は、世代的に耐性に弱い上、仕事として顧客対応まで求められるのは見合わないと考える層だと思います。また「お客さまは神様だ」と上司や先輩に叱責されながらクレーム対応してきた管理者でも、人手不足の上、採用してもすぐに退職してしまうことが多い現状では「お客さんがおかしい」と新人の慰めに終始するだけではないでしょうか。

「カスハラ」問題の抜本的な解決と、広くクレーマー対策は、顧客、取引先との信頼を獲得し、良好な関係を維持していく一方、労働者が安全に働ける環境整備に配慮する必要があります。つまりは、生産性の阻害要因を排除することであり「働き方改革」の目指す「生産性向上」を実現させることです。

まずは現場担当者に特殊な職人芸を求めることはやめましょう。顧客とトラブルになる要素を極力減らす状況をつくり、担当者にはその限りでのスキルを高めてもらう。トラブルになりそうだったら、すぐ次の段階へ移行して対応する、そういった仕組みが不可欠です。

当事務所では、ハラスメント問題一般への対応をはじめ、個別具体的なクレーム、クレーマートラブルの対処・解決、さらには「カスハラ問題」を踏まえたクレーマー対策・クレーム処理の仕組みづくりについてアドバイスもしています。関心を持たれましたら、ぜひご相談ください。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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