第21回 「コンプライアンス」がお題目になって失敗しないように

月刊「財界さっぽろ」2013年1月取材

会社を守る法律講座

――「コンプライアンス」という言葉がよく使われますが、どのような意味なのですか。

前田 日本では、「法令遵守」という意味で用いられることが多いようです。

――法令を順守するという当たり前のことが叫ばれるのですか。

前田 それは、〝社会の要請〟と捉えるべきものだからです。コンプライアンスが重要視されてきた背景を理解すると、よりわかりやすいです。
2000年以降、消費者や投資家に被害が及ぶ企業の不祥事が多発しました。そのため、企業の違法・背信的行為に対する社会の目の厳しさが増しました。
利益優先で活動することが企業のリスクを大きくし、「法令遵守」を普段から重視する企業、あるいは不祥事が起きた時点で法令にのっとった解決を図る企業は、その価値を高める状況となったのです。

――具体的な事例はありますか。

前田 不祥事報道があれば、世論はマイナスイメージを持ちます。初期対応を誤り、社長の小さな失言からグループの解体に至った雪印乳業のような例もあります。
一方、不祥事をテコに企業イメージを向上させた例もあります。テレビ通販のジャパネットたかたです。同社の03年の売り上げは705億円でしたが、04年に51万人分の顧客リストを流出させ、売り上げが663億円にまで落ち込みました。しかし事件後、テレビや新聞で謝罪を繰り返し、消費者に適切な対応をしたことが評価され、10年の売り上げは事件前をしのぐ1759億円に達しています。 ある出来事が一人歩きして、何倍にも増幅したマイナス評価となることもあれば、大きなプラス評価に転じることもあるのです。その原動力となるのは「目に見えない大衆の声」であることを押さえておくべきです。

――的を射た考え方ですね。

前田 むしろ「コンプライアンス」という言葉自体は、うまく出来たスローガンです。起きた問題、起きることが予想される問題については、現場段階で具体的に把握した上、その本質をつかんで対応しなければなりません。
今回は設問で締めましょう。コンプライアンスの重視が叫ばれる代表的な組織として、医療機関があります。患者を番号で呼ぶ病院も少なくありません。あなたは総合的に考えた場合、番号で呼ぶのと名前で呼ぶのではどちらが適切だと思いますか。

当事務所では、コンプライアンスについてもさまざまなご相談に応じています。(0120・48・1744)
なお、「金融円滑化法」が13年3月で終了する見通しです。次回は、実は悪法ともいうべきそのお話をすることにしましょう。

 

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