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第55回 遺言書の〝中身〟は自分だけで決めない!

月刊「財界さっぽろ」2016年08月取材

会社を守る法律講座

――最近、遺言書の作成が増えているようですね。

前田 流行といって良いかもしれませんね。ただ、新聞などで相続関係のセミナーの開催広告が目立ちますが、中には生命保険の販売などを目的としたものもあるようです。周りに惑わされず、自分にとって何が必要かを総合的、具体的に考えなければなりません。遺言を残す必要があると決意した人だけがつくれば良いということになりますが、つくる以上は完璧を目指さなければなりません。

―経営者や資産家は、相続争いにならないようにきちんと遺言を残すことが重要ですね。

前田 実は、遺言が残されていれば、相続紛争が起きないという訳ではないのです。遺言の内容に納得いかない相続人がいれば、相続争いが始まり、長期化する場合もあります。実際、遺言書の内容が不利な相続人からの依頼を受けることもあります。全体像を見据え、タイミングを逃さなければ、現状を打開して一定の成果を得ることできる場合も多くあります。

ただ、遺言があるとないとでは大違い。遺言があると早期に遺言書に沿った内容で解決する可能性が格段に高まります。遺言があるのに相続紛争が始まり、「なぜ時間がかかるのか」と不満を唱える相続人もいますが、解決すると遺言を残してもらったことに感謝することが多いようです。

――後は法律に定められたルールに従って遺言をつくれば良いのですね。

前田 そのルール自体が難しいのです。厳格な要件が定められており、お手軽につくるという発想は止めなければなりません。自分で書くこと(自筆証書遺言、秘密証書遺言)もできますが、書き方のルールが厳しい上、紛失の心配もあります。私は「公正証書遺言」を作成するべきだと考えています。

公正証書遺言は公的立場にある公証人が作成し、公証役場で保管されます。方式の不備で無効になったり、改ざんされたり、紛失の心配もなく、安全で確実です。

――「公正証書遺言」にすれば万全を期すことができるということですね。

前田 公証人は、裁判官や検察官などのOBが多く、法律について適切なアドバイスを受けられることが期待できますが、公証人は本来、依頼者が決めた〝内容〟を遺言としてつくり上げることが仕事です。財産が多岐に渡り、誰にどのように分けるか難しいなど、複雑な法律問題が絡むような場合は、信頼できる専門家と時間をかけて遺言の〝内容〟を検討しておく必要があります。

当事務所は、死後に憂いを残さないよう、自ら遺言を残すと決意した人を全面的に応援しています。手に負えないと感じた時は、気軽にご相談ください(フリーダイヤル0120・48・1744)。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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