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第7話 他者の意見を聞く習慣を。セカンド顧問の重要性

月刊「財界さっぽろ」2019年09月取材

生活に潜むリーガルハザード

不安があるなら第三者の意見を聞くことが重要

専門外の重要案件について決定を迫られた場合にどうするか――

そのための方法として、医療分野で用いられている「セカンドオピニオン」が思い浮かびます。患者が検査や治療を受けるに当たって、主治医以外の医師に意見を求める行為です。

極めて専門的な知識が必要な場面での意思決定・選択について、別の専門家に意見を求めることは有意義であり、医療分野だけでなく法律の世界も同様です。ただ、弁護士は医者よりかかわる機会が少なく身近ではないので、相談を先延ばしにしたり、手遅れになったり、何もせずに泣き寝入りということが多いかもしれません。

 

最も重要なことは弁護士との〝相性〟

まずは、どのように良い弁護士を見つけるか。信頼の置ける人からの紹介や推薦が一番ですが、弁護士との協働作業が不可欠であることを考えると「相性」も大きなポイントとなるでしょう。

例えば、発生した法律問題に対して、依頼者が徹底抗戦を決意したのに〝和を以て尊し〟とする聖徳太子のようなタイプの弁護士では、相手方に一方的に押されてしまう事態にもなりかねません。争いを好む弁護士が適切だとは思いませんが、紛争やトラブルは、うやむやにせず闘わなければ解決できないという場合も多くあります。

また、争いを避ける背景が訴訟経験が不十分といった弁護士側の〝スキル・ノウハウ不足〟を隠蔽するものであったり、〝経営の効率化のための方策〟にすぎないということであれば本末転倒です。

あなたの顧問弁護士は、法律の話に終始せず依頼者の置かれた状況をきちんと理解していますか?紛争、トラブルの個性や特殊性を具体的に把握していますか?今後の解決策ををきちんと説明していますか?こうした人間関係の原点のような部分が重要なのです。

身内のように親身な弁護士がよいというイメージを抱かれるでしょうが、愚痴を聞くとか、同情してもらうために相談するわけではないということを忘れてはなりません。依頼者が「許せない」「反撃したい」といった感情にとらわれているような場合に、さまざまな専門的手法で客観的に問題解決の糸口を見つけ、論理的に諭してくれる存在でなければ、最後に損をするのは依頼者本人なのです。

顧問弁護士と上手く噛み合うコツは、やはり「相性」なのです。自分にとって良い弁護士を探すのは、名医を探すのと似ています。ご依頼中の顧問弁護士を解約するのではなく、まずは〝セカンド顧問〟として別の弁護士の意見を聞くために会ってみることです。嫌なら断ればよいだけなのですから。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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