第28話 努力義務でも注意。改正・高年齢者雇用安定法への対応

月刊「財界さっぽろ」2021年07月取材

生活に潜むリーガルハザード

4月より改正法施行
70歳まで働く時代に

今年4月より「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」(高年齢者雇用安定法)の改正法が施行されました。

年齢に関わりなく働く意欲がある誰もが能力を発揮できることを目的とし、年金の受給開始年齢まで働き続けられるように、70歳までの就業機会の確保について多様な選択肢が法制度上整えられました。

改正以前より、定年を65歳未満に定めている事業主に対しては、65歳までの安定した雇用を促すため、定年制の廃止または定年の引き上げ、あるいは継続雇用制度(再雇用制度)の導入のいずれかの措置を実施することが義務化されていました。

 

損害賠償リスクも
早急の対応が吉

今回の改正では65〜70歳までの就業機会を確保するため、改正前に事業主に課せられていた雇用確保義務に、次のいずれかの措置を講ずる努力義務が加えられました。

①定年を70歳まで引き上げる。

②定年制の廃止。

③70歳までの継続雇用制度の導入。

④70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入。

⑤70歳まで継続的に事業主が自ら実施する社会貢献事業か、事業主が委託、出資等する団体の社会貢献事業に従事できる制度の導入。

なお、この高齢者雇用安定法は全ての企業が対象です。
定年を70歳未満に定めていたり、導入する継続雇用制度が65歳までの場合は対応が必要となります。

③については、子会社や関連会社等の特殊関係事業主に加え、他の事業主により行われるものも含まれます。他の団体で当該措置をとる場合は、雇用していた企業と団体との間で、高年齢者に対して社会貢献活動に従事する機会を与えることを約束する契約を締結する必要があります。

また、従来の65歳までの継続雇用制度では、希望者全員が継続雇用の対象でしたが、65〜70歳に関しては、努力義務を果たす前提として希望者全員の雇用を継続する必要はありません。対象者の基準を定め、当該基準に合致した者のみを継続雇用することが可能です。

④⑤は「創業支援等措置」と呼ばれ、就業先での雇用によらない措置となります。導入するためには、労働者の過半数を代表する労働組合か、労働組合がない場合は労働者の過半数を代表する者との間で同意を得る必要があります。

これらは努力義務のため、具体的な罰則等はありませんが、高年齢の従業員から損害賠償を請求されるリスクはゼロではありません。

当事務所では一連の対応について、就業規則の作成・変更、労働者からの意見聴取、労働基準監督署への届け出など、ワンストップでお手伝いし、法的トラブルを未然に防止します。気軽にご相談下さい。

前田尚一法律事務所:フリーダイヤル 0120・48・1744

 

 

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