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第7回 不祥事報道ーマスコミ対策の極意!

月刊「財界さっぽろ」2011年11月取材

会社を守る法律講座

――最近、大手企業が不祥事を起こし記者会見をする例が多く見られます。企業の正しい対応について、法的観点から教えて下さい。

前田 正しい方法論といったものはありません。事実をきちんと確認して、適切な対処を積み重ねるしかないのです。参考になるのは、島田紳助さんの記者会見です。

――島田さんは、多くのレギュラー番組を降板して引退するハメに陥りましたが。

前田 不祥事などの報道があると、世論はマイナスイメージを持ちます。事実はどうであれ、ジタバタすると、さらに世間の信用を失っていきます。菅直人前総理がその典型です。島田さんは、いさぎよく引退することを世間に印象付けました。短い記者会見の中で、本来は引退しなくてもよいが、大物タレントや後輩のラブコールの中、惜しまれつつ退くという場面を作り上げたのです。
もし島田さんが、タレント業に固執したなら取材の嵐に巻き込まれ、世間に見苦しい態度をさらすことになったでしょう。しかし、引退したので取材に応じる必要はありません。島田さんが、今後芸能界への復帰を想定していたのであれば、見事な記者会見と言えます。

――島田さんはカムバックできるということですか。

前田 それは別問題です。今後、事実としてどのようなことが明らかになるかによります。申し上げたいことは、あの時点でできる対応としては、最善であったということです。

――自滅すれば復活の機会すら失うということですね。

前田 そのとおりです。不祥事の初期対応を誤り、小さな失言からグループの解体・再編に至った雪印乳業のような例もあります。
一方、不祥事をテコに企業イメージを向上させた会社があります。テレビ通販のジャパネットたかたです。同社の2003年の売り上げは705億円でしたが、04年に51万人分の顧客リストの流出事件を起こし、売り上げが663億円にまで落ち込みました。しかし事件後、テレビや新聞で謝罪を繰り返し、昨年の売り上げは1759億円に到達し、消費者に適切な対応をしたことが評価されました。

――すぐに謝罪するのが決め手ですか。

前田 そうとも限りません。世間の風潮に流されず信念を貫くべき場合もあります。不祥事後に、どのように新たな企業イメージを作り上げるのか構想した上で、効果的な応急措置を選ぶということです。その場合、やはり手慣れた専門家に相談する必要があります。当事務所では、マスコミ対応の組み立てなども含めこの種の案件を取り扱っています。ぜひご相談ください。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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