学識経験者として新聞一面の3分の2でもろもろ解説し、
最後に、次の引用のとおりまとめてあるコラム。
私の場合ですが、途中のたくさんの説明をどのように読めば、勉強になり、役に立つのか、よくわからず、とても戸惑ってしまいました。
ただ、このような文章構成パターンで、最後に次の引用部分を置けば、中国との間でどのようなことが起きても巧く、体裁よくまとめることができそうです。
現代文受験対策などといった場面での例文のようにある意味巧みです。
(以下引用)
「有事を防ぐためには日本は防衛力強化を図りつつ、
戦略的コミュニーケーションを通じて中国と危機認識を共有する必要がある。
同時に、強制力のある国際ルールを共有し、
互いの行動予測可能性を高めることが相互利益につながる。
ルールに基づく関係構築を働きかける現実的な外交が肝要だ。」
(引用終わり)
ところで、法律の規定の表現方法には、使い勝手の良いパターンが用意されており、例えば、次の引用は、「行政手続法」という法律の目的を定めた条文ですが、個々の条文を知らなくとも、うっかり分かったような気になるとても巧みな文章です。
(以下引用)
「(目的等)
第一条 この法律は、処分、行政指導及び届出に関する手続並びに命令等を定める手続に関し、共通する事項を定めることによって、行政運営における公正の確保と透明性(行政上の意思決定について、その内容及び過程が国民にとって明らかであることをいう。第四十六条において同じ。)の向上を図り、もって国民の権利利益の保護に資することを目的とする。」
(引用終わり)
【構造】
この法律は、
([理由]ことにかんがみ、)
[対象]に関し、
[手段]ことによって、
[直接の目的]を図り、
もって[究極の目的]を目的とする。
【例】
〇特定秘密の保護に関する法律
第一条(目的)
この法律は、
国際情勢の複雑化に伴い我が国及び国民の安全の確保に係る情報の重要性が増大するとともに、高度情報通信ネットワーク社会の発展に伴いその漏えいの危険性が懸念される中で、我が国の安全保障(国の存立に関わる外部からの侵略等に対して国家及び国民の安全を保障することをいう。以下同じ。)に関する情報のうち特に秘匿することが必要であるものについて、これを適確に保護する体制を確立した上で収集し、整理し、及び活用することが重要であることに鑑み、
当該情報の保護に関し、
特定秘密の指定及び取扱者の制限その他の必要な事項を定めることにより、
その漏えいの防止を図り、
もって我が国及び国民の安全の確保に資することを目的とする。
〇裁判の迅速化に関する法律
第一条(目的)
この法律は、
司法を通じて権利利益が適切に実現されることその他の求められる役割を司法が十全に果たすために公正かつ適正で充実した手続の下で裁判が迅速に行われることが不可欠であること、内外の社会経済情勢等の変化に伴い、裁判がより迅速に行われることについての国民の要請にこたえることが緊要となっていること等にかんがみ、
裁判の迅速化に関し、
その趣旨、国の責務その他の基本となる事項を定めることにより、
第一審の訴訟手続をはじめとする裁判所における手続全体の一層の迅速化を図り、
もって国民の期待にこたえる司法制度の実現に資することを目的とする。
○司法制度改革推進法
(目的)
第一条 この法律は、
国の規制の撤廃又は緩和の一層の進展その他の内外の社会経済情勢の変化に伴い、司法の果たすべき役割がより重要になることにかんがみ、
平成十三年六月十二日に内閣に述べられた司法制度改革審議会の意見の趣旨にのっとって行われる司法制度の改革と基盤の整備(以下「司法制度改革」という。)について、
その基本的な理念及び方針、国の責務その他の基本となる事項を定めるとともに、司法制度改革推進本部を設置すること等により、
これを総合的かつ集中的に推進することを目的とする。