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第22回 機を逸すれば、会社はたためない

月刊「財界さっぽろ」2013年2月取材

会社を守る法律講座

――金融円滑化法が2013年3月で終了する見通しですね。企業の倒産がジワジワ増えています。

前田 この法律のお陰で経営を立て直した企業はごく一部。大半は現状維持が精一杯で、悪化している企業が多いというのが実際です。ただの延命策だったと言われてもしかたありません。

――政権が代わったといって、様子を見ている状況ではありませんね。

前田 「倒産」ということを現実のものと捉えて行動しておく必要があるでしょう。
「倒産」の手続きには「法的整理」(裁判所の関与と監督の下におこなわれる手続き)と、「任意整理」(裁判所に頼らず債権者との間でおこなわれる手続き)があります。そして、清算型(破産、特別清算)と再建型(会社更生、会社整理、民事再生)に分けられます。

――経営者は皆、再建型を選ぶのでは。

前田 再建型を希望したからといって、裁判所がすべて助けてくれるわけではありません。
この不況の中、粗利も出ない会社が再建することは難しいでしょう、現実はそんなに甘くはないのです。

――清算型で倒産手続きをする際のポイントは。

前田 タイミングです。経営者はどうしても「ここを切り抜ければ、きっと何とかなるはずだ」「あの人には迷惑をかけられないから、もう少しがんばろう」と、ずるずる決断を長引かせる傾向にあります。
しかし先延ばしすることによって、親類に借金をしたり、金融機関の保証人に家族を巻き込んだりと、かえって周囲の人たちに迷惑をかけてしまう場合が多いのです。そうならない早めの決断に加え、倒産させるための費用が準備できる段階でないと、きちんと会社をたたむことさえできなくなってしまいます。

――追い込まれた経営者本人では、正常な判断は難しいのでは。

前田 〝手遅れ〟になる前に、もう少し余裕のあるうちに、法律の専門家である弁護士に相談してみることです。
債権者への対処や倒産するための資金作り、従業員への対応などもろもろの難題が一気に吹き出します。私も企業倒産のお手伝いをしてきました。全力で頑張ってこられた経営者であっても、「迷惑はかけられない」と悩んで先延ばしにすることが空回りとなり、深刻な事態を招きかねません。これ以上ひとりで悩まず、我々弁護士に打ち明けていただければ、視界も開けてくるはずです。
(前田尚一法律事務所では、企業倒産の相談には無料で応じている。0120・48・1744へ)

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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