第42回 他人事ではない。 怖~い労働組合との団体交渉

月刊「財界さっぽろ」2015年01月取材

会社を守る法律講座

今回は、当事務所の顧問企業の専務A氏とのエピソードを紹介します。今はやりの「労使トラブル」がキーワードです。

前田 お付き合いのきっかけは、もう十数年前になりますね。

A氏 私が専務に就任して間もない頃です。社長である父が、B氏を解雇したことがことの始まりでした。そこに目を付けたのは父の側近であったC氏です。営業成績を上げられず、父との関係が悪くなっていたC氏は、B氏の解雇を好機とみて音頭をとり、他の従業員を引き入れ地元の上部団体に駆け込み労働組合を結成しました。

前田 A氏が対応されましたね。

A氏 2回目の団体交渉から私一人で団体交渉に臨みました。上部団体の関係者も数名いました。

前田 大変だったでしょう。

A氏 毎日眠れませんでした。十数名から罵倒される日々でした。

前田 私がお手伝いをすることになったのはその頃でしたね。

A氏 組合側は私に一方的な要求を迫ってばかりでしたが、先生同席によって好転しました。

前田 そうは言っても、相手は戦術を変えてきましたよね。

A氏 さすがはその道のプロ。「社長を出せ」とか「会社の決算書を出せ」などと本論とは関係のないことを要求してきましたが、先生のおかげで、社長が出席することも決算書を提出することもなく妥結できました。

前田 組合ができるとそれまでとは異なる対応が必要ですからね。

A氏 何を決めるにも組合を通せと要求されます。昇給時期になると春闘で団交を繰り返す日々。組合が突然ストを決行すると言い、そのシンパが何十人も会社の周りに集まったこともありました。大変でしたが、先生とあらゆる場面を想定して、組合の思うがままにはならないように対応できました。

前田 北海道労働委員会まで持ち込まれたこともありましたね。

A氏 その時も組合側は「社長を出せ、決算書を出せ」と言い出しましたが、相手側の要求に応じることなく、想定した内容での解決ができました。先生の一挙一動を横で見ていて、さまざまな対処法があるものだと感心してしまいました。

前田 現在の労使関係は。

A氏 和解が成立してまもなく、B氏は個人的理由で退職しました。C氏は、C氏以外の組合員全員が組合を脱退してまもなく、病気を理由の会社をさぼっていたことが明るみになり、会社を退職していきました。こうして組合は自然消滅しました。以降、労働問題は全く発生していません。

前田 ちなみに、北海道労働委員会は、労使間の紛争解決を図る北海道の行政機関。ただし、経営者側からすると労働者側・労働組合側寄りで処理する印象があります。対応に注意が必要です。

 

 

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