第21話 最高裁判決で見えてきたか「同一労働同一賃金」

月刊「財界さっぽろ」2020年12月取材

生活に潜むリーガルハザード

判決が下された同一労働同一賃金

10月13・15日に「同一労働同一賃金」に関する5つの最高裁判決が出されました。いずれも改正前の旧労働契約法での判断ですが、今後も通用する内容です。

2019年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」正社員と非正規社員の不合理な待遇の差が禁止されたこと(中小企業は21年4月1日から施行)について、大きな影響を与えます。

まずは5つの最高裁判決の要点をまとめてみましょう。

①「大阪医科薬科大学事件」

有期契約労働者(アルバイト職員)と無期契約労働者(以下正社員)との間で、賞与の不支給、私傷病による欠勤中の賃金等の相違があったという事案です。最高裁は正社員に賞与を支給する一方、アルバイトにこれを支給しないという労働条件の相違は不合理とは認められないと判断しました。

②「メトロコマース事件」

正社員に退職金を支給する一方、契約社員にはこれを支給しないという労働条件の相違は不合理とは認められないと判断しました。

③「日本郵便事件」(佐賀)

正社員に夏期休暇と冬期休暇を与える一方、有期契約労働者にはこれらを与えないという労働条件の相違は不合理だと判断しました。

④「日本郵便事件」(東京)

私傷病による病気休暇として正社員に有給休暇を与える一方、有期契約労働者には無給の休暇のみを与えるという労働条件の相違は不合理だと判断しました。

⑤「日本郵便事件」(大阪)

正社員には年末年始勤務手当、年始期間の勤務に対する祝日給および扶養手当を支給する一方、有期契約労働者にはこれらを支給しないという労働条件の相違は不合理だと判断しました。

 

画一的な対策では× 実態に応じた対応を

「働き方改革関連法」が成立する直前に、最高裁は「長沢運輸事件」・「ハマキュウレックス事件」で諸手当の待遇差について判決で一定の基準を示していました。

それを踏まえて厚生労働省も詳細な内容の「同一労働同一賃金ガイドライン」を公表してきました。それなのにそれ以降に出された高等裁判所判決が前述の最高裁判決で破棄・変更されたものがあります。公式のルールが具体化されたのに、裁判官の判断がわかれたのです。

企業にとって社内で発生するトラブル・紛争は個別具体的なものであり、解決・予防の面でも企業ごとに現状を踏まえた対処を事前・事後におこなう必要があります。コロナ禍で先が見えない状況の中、人件費を増やして待遇を一律にすることは不可能です。

さまざまな〝想定外〟に遭遇するリスクが高まっている厳しい経営環境下でも、企業はきちんと足元に目を向けてあるべき姿を追求し、実現していく必要があります。

前田尚一法律事務所:フリーダイヤル 0120・48・1744

 

 

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