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第22話 今度は〝コロハラ〟。ハラスメントの根っこに迫る

月刊「財界さっぽろ」2021年01月取材

生活に潜むリーガルハザード

ストレスのはけ口? コロナハラスメント

コロナ終息の目処がたちません。具体的な対策が現れてこないまま、悪化の数値ばかりが客観的に公表され、少し前まで新たな未来が到来すると論じていた識者・専門家は、いまや警鐘を鳴らすと称して、そもそも論を述べるばかりです。

アフターコロナ、ウィズコロナと言葉を変えてみたところで、コロナ禍の実態は変わらず、社会には集団的なストレスがどんどん蓄積・沈殿されていくばかりです。

職員感染を公表した銀行では窓ガラスが割られ、批判の電話が鳴り止みません。集団感染が起きた大学には「この時期に海外旅行なんて生物兵器かよ」といった電話やメールが殺到。学校での「コロナいじめ」、マスク・咳に起因する小競り合い、世間では「コロハラ」(コロナハラスメント)と名付けられ、コロナ差別が理不尽に頻発しています。

厚生労働省では新型コロナウイルスに関連したいじめや嫌がらせ等が職場で生じているとの声を踏まえ、ホームページにQ&Aを作成するなどして、それらが職場におけるパワハラに該当する場合がある旨を周知しようとしています。

コロハラやパワハラ 職場は大丈夫?

ところで「労働施策総合推進法」の改正により、2020年6月1日よりパワーハラスメント防止措置が事業主の義務となりました(中小事業主は22年4月1日から義務化。それまでは〝努力義務〟)。

もちろん職場におけるハラスメントを防止するため、防止措置を制度化することは重要です。しかし、防止規程・ガイドラインの作成や相談窓口の設置、研修会・講習会の実施では取り除けない病根も少なくありません。

特に中小企業の場合、パワハラも未払い残業代や解雇、メンタルヘルスといった定番の労務問題と同様、まずは全てを現実問題として捉え、個別具体的な把握が不可欠だといわざるを得ません。

「職場のパワーハラスメント」などというと、経営者は生産性の向上や従業員のモチベーションなどに置き換えて考えがちです。しかし、組織そのものへの不安・不満・怒りにつながる要因であると考えなければなりません。

パワハラは〝コロハラ〟と同様に、沈殿されている感情の本能的な部分がコントロール不可能となり、直接的に他者に向けられるケースが大きな割合を占めているということを理解すべきです。

それにも関わらず、セオリー通りの対処で済ませたり、目の前の現実に気付かない、あるいは手当てを先送りしているケースが多いのです。全てを〝今の問題〟と捉え、必要な解決に結びつけて組み立てることが極めて重要です。

経営者・管理者の皆さん、見え始めた現実、目をそらしている現実はありませんか?

前田尚一法律事務所:フリーダイヤル 0120・48・1744

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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