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「命拾い」とプロの役割:心筋梗塞・心房細動、緑内障での体験記

私、令和5年秋から半年ほどの間に、転院(転医)して、二度、命拾いをしました。
持病の「心房細動」と「緑内障」について、転院した先の医師らのおかげで危機を乗り越えることができました。
前者は、「心房細動による脳梗塞予防心臓・左心耳切除手術の体験記」の後日談でした。
そして、最近、(「心筋梗塞不安定狭心症」)につき、またもや、命拾いしました。
悩ませられた持病諸々とは、
次にお話しする、転院して辿り付いた医師らに適切な治療をしていただいたことに加え、
「禁酒」、「減量」の効果もあるようです。ちょいと心配な残り一つがありますが、
とりあえず共生関係を維持できそうです(令和6年・年末)。

【追伸】令和6年GW明けから始めた減量が20Kgを超え、
その効果は、
加齢や持病の影響を上回るほど。
抱えていた慢性疼痛は、支障ないほどまで軽快し、
ちょいと心配な残りひとつも、MRIで病巣の写りで縮小して見えるとのこと。
とても快調に過ごしております。[令和7年末]

心房細動」については、それまでは加齢によるということ以外は原因不明と説明されており、私の場合、発症しても、苦しい自覚症状が出ないもので、ずっと処方箋をもらうためだけの定期的な通院となっておりました。
令和4年にロボット心臓手術をしてもらって、担当医らのお陰で、心房細動がもとで起きる脳梗塞のリスク対策は大成功(手術担当外科医は、その後、米国の大学病院に異動)。
ただ、内科に戻った以降、外科的には対象外となった心房細動自体は、その後も苦しいことにはならないものの、発症頻度が増えたのが気になっておりました。令和5年9月の定期通院でも、内科的には、特段検査をすることもなく、処方薬を変えて様子を見るとの診断でした。

ところが、その翌々々日の9月14日にセカンドオピニオンをお願いした医師の診断は違いました。
胸腔内に胸水がたまっており、「心不全」であるとの診断でした(レントゲン画像に胸水が写っており、こちらの血液検査の項目であるNT-proBNPの数値が異常値を示していました。)。前院でもらった処方箋は使われることがないまま、そのままこちらに転院し、全て薬を変えた新しい薬の処方によって、心房細動の発作頻度は大幅に減少しました。

令和6年5月、普段は苦しい自覚症状が出ないのに、夜になって、いつもとは違った苦しい症状が出ました(それは、経験はないが、まさに本やネット記事で読んだことのある心房細動の“苦しい”症状でした。)。
苦しい症状となったのが夜でしたので、念のためと夜間救急対応している医療機関に行きましたが、そこでは、心配ないとの診断でした。実際、一晩寝ると、症状が治まったのですが、妻やスタッフの強い勧めで、念のためと、翌々日の16日午前中、帰りは久々にラーメン屋に寄るのを楽しみにしつつ、上記の次第で通院するようになった転院先病院に自転車で赴き、急患扱いで診察してもらいました。

すると、心臓超音波検査(心エコー)で異常が認められ、検査室帰りの診察室への移動は車椅子。トロポニンTという検査項目の数値が異常値を示しており、「亜急性心筋梗塞の疑い」との診断となりました。そのまま救急病棟に即日入院。当日午後、鼠径部(足の付け根)から動脈にカテーテルを挿入する心臓カテーテル治療を受け、心臓内の血栓などを取って、ステント入れてもらいました。

いつ冠動脈が塞がれてもおかしくない状態でしたので(「心筋梗塞不安定狭心症)」)、放っておくと、近々、救急車で運ばれる事態になっていたかもしれません(ちなみに、当事務所のお客さまの中に、耳の調子が悪くて、総合病院の耳鼻科を受診した際、病院内で倒れ、そのまま、心臓カテーテル治療を受け、ステント入れてもらったという強運の方もいらっしゃいます。「引き寄せ」の法則でしょうか。)。

写真は、私の心臓の冠動脈の中から取り出してもらった血栓の一部です。担当医の話では、今まで見た中でこんな大きいのは珍しい、とのことでした(クリックいただくと、写真がデカくなります。)。

担当医と引き継いだ手術担当医のお陰で、言葉どおりの「命」拾いとなりました(以降、心房細動もほとんど出てきません。)。

 

緑内障」については、令和5年1月、突然目がかすむ症状が現れ、夕刻でしたので夜間急病センターに駆け込みました。翌日から、それまで2年程かかりつけていたクリニックで、その後約1年間、主に点眼薬治療のみが続けられました(もっとも、かかりつけに通う前に使用されていた点眼薬(「βブロッカー」は、喘息持ちは絶対にダメと言われ使用されませんでした。なお、途中、10年程前に施行された網膜剥離の手術の後始末が施行されています。)。
ところが、1か月ごとの通院が、今後は2か月ごとでよいと診断された最初のその期間内に状態が悪化しました。受診すると手術が必要と診断され、転院措置となりました。
そして、まずはレーザー治療(SLT
:隅角の線維柱帯(目の中の排水口)をめがけてレーザー治療)をしてもらい、すぐに眼圧は下がったのですが、また上がったものの、手術は適切ではないとのことで、さらに、転院先の医師のご紹介で大学病院に移りました。そして、観血的な外科手術ではなく、レーザー治療(マイクロパルス網様体光凝固:目の外側から毛様体(目の中の蛇口)めがけてマイクロパルスを当てるという治療)を受け、高かった眼圧が一気に正常値となりました。
ちなみに、レーザー治療は様々な段階の緑内障に対し適用され、薬物療法との併用も早期に行えるとのことです。
かかりつけ医で使用されなかったβブロッカーは、転院以降の医師らは皆、全く抵抗なく処方してくれています(医薬品の注意事項等情報では、「禁忌」とされてはいますが、「副作用」としては「喘息発作(頻度不明 )」と記載されているところで、患者それぞれの病状の局面を捉え、効能・効果を期待し、副作用が現実に発生したときに中止するというのが、緑内障に専門性がある医師の現場での実務的運用のようです。)。
ところで、β遮断薬と喘息との関係について、知人である医学部の教授に尋ねてみると、次のとおりメールで返信してくれました。難解ですが(読み飛ばしてください。)、上記のような実務的運用がされる理屈がよく理解できます。

現在の状況で、β遮断薬が有効かどうかは、判断しかねます。
β遮断薬と喘息との関係です。
気管支が拡張する場合、交感神経の作用で起こることが多いのですが、その際、交感神経からノルアドレナリンが出て、気管支平滑筋のβ受容体に結合して作用します。つまり、β遮断薬はノルアドレナリンがβ受容体に結合するのを阻止することから、気管支が拡張しにくくなることがあります。喘息の発作は気管支が攣縮(けいれん性の収縮)することで起こるので、β遮断薬は発作が起こす危険性を高めると考えられています。
しかし、喘息の発作が起こるには、攣縮を引き起こしやすくなる根本原因が他にあります。
それは免疫系、アレルギー、慢性炎症などが考えられています。
したがって、根本原因の治療ができていれば、β遮断薬を飲んですぐに発作が起こる
ことにはなりません。
β遮断薬を使用して、見えが良くなるか、発作はどうなるか、頃合いを見るのが、主治医の役目と考えます。
喘息の担当の内科医師の意見も聞いてみる必要があると思います。

 

ところで、
医療は専門化が進んでいます。
より多くの患者に効果的な治療を提供するためには、標準的な診断と一般的に有効な治療を組み合わせ、大量の患者を集団的に処理する専門的な仕組みが必要です[専門性A]。八割方の患者はこの仕組みの中で救われています

しかし、この仕組みだけでは、一部の患者が見逃される可能性があります。
最新の医療機器を導入することで、一般的な医師でも一定の成果を上げることができるかもしれませんが医師自身の技術向上にはつながりません(もっとも、最新医療機器を活用する上で、特別のスキルが必要な場合は別であり、次の専門性Bの場面となります。例えば、ロボット支援手術(以下「ダヴィンチ」)は、現在、その段階であり、術者間のoutcomeの格差はとても大きいようです。)。

この局面で必要な専門性は、個々の患者に焦点を当て、その症状を深く理解し、個別具体的に効果的な方法を見極め、的確に治療する能力です[専門性B]。
それは、個々の医師の姿勢やスキルによって実現されています。そのような医師は、必要な専門知識や技術について、意図的に、研鑚・錬磨を続けている方々です。
最新の医療機器であっても、誰でも一定の成果を上げることができることを目的とするものではなく、より高い水準の成果を獲得することを目的とするものであって、研鑚・錬磨を続けて得られる特殊なスキルが必要な場合もあるでしょう。

なお、専門性A専門性Bとを兼ね備える方向性を考えると、ただデカイだけではなく、充実した組織・体制を備えた大規模な病院をイメージすることができますが、現実問題としては、限られてくるでしょう。例えば大学病院であっても、大学によって、あるいは同じ大学病院であっても診療科によって、何かと様々多様です。
ともあれ、一つ現実的なのは、デカくとも、少数精鋭で組織を仕切りきる大胆で緻密な体制の病院でしょうか。
医療設備がいくら整っているように見えても、基本は医師自身の技術向上につながるものではなく、物理的な合理化を図るものですから、医師が常時一人、二人勤務する診療所の場合、専門性Bこそが求められる専門性。もちろんご自身の明確な判断で専門性Aを求めて通っているというのであれば、それも一つの考え。ただ、医療設備自体に価値を求めるというのであれば、概してデカイ病院の方が最先端のものを備えていることが多いでしょう。

さて、
異なる分野ではありますが、私も、実践的な分野での専門職です。
自分の持病についての体験から、改めて、個々の依頼者に焦点を当てる業務姿勢が大切だと強く思いました

私は、個々の依頼者それぞれにとっての「勝ち」が何なのかにこだわって、仕事をしてきました。

三十数年にわたって、特に中小企業に加え、医療法人、宗教法人、社会福祉法人、NPO法人などに対する経営面での法律業務をサポートしてきました。
勝ち負けの理解は、事件の性質や業種・業態ばかりではなく、経営者個人のキャラクター、パーソナリティーが大きく影響するどころか、局面によっては、それが決定的となることを実感しています。
経営者が徹底して闘うと決断したのに、弁護士が、〝和を以て貴しとなす〟とばかりに、「早期解決」という魅力的な言葉に飛びついて妥協し、無難にまとめよう、というのでは、紛争の相手に押されるばかりで、劣勢に立たされかねないでしょう。

最善の解決を実現するためには、経営者らと「協働」し、紛争の周辺にまで視野を広げ、紛争の実態を深掘りしながら、総力戦の構えで案件の処理をしていかなければならず、そのための研鑚・錬磨を怠ってはいけないと、今、自分の体験から初心に戻って考えています。

ちなみに、私の病歴

司法試験最終試験の直前、突然の“網膜剥離」:一度目の手術
節目」:睡眠時無呼吸症候群
ホテルロケ敢行、“睡眠時無呼吸症候群”の患者役でTV出演
白内障”のこの不便さ!!
あやうく失明」:二度目の“網膜剥離”の手術
不測の〝お告げ〟には即対策・即行動を!」:“心房細動
心房細動による脳梗塞予防の心臓・左心耳切除手術の体験記
人工股関節手術を免れる

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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