以前、連載で、次のような文章を書いたことがあります。
いかにどのような弁護を試みても特定の発言が決定的となるのが今この時代の現状です。かつては、酒席での発言は何かと割り引かれる傾向がありましたが、今や「酒は善人をも狂わせる」と言うより「酒は普段その人が取り繕い覆い隠している本性を暴く作用として働いた」というのが、社会に受けいられる考えのようです(「言動に注意。言葉が一人歩きする時代」財界さっぽろ2019年07月号)。
買ったまま少し読んで置いてあった本をめくっていたら、次のような記載がありました(澤田誠『脳科学者が教える本当に正しい記憶力の鍛え方 なぜ名前だけがでてこないのか。』[2013,誠文堂新光社])。
まさに、上記の事柄についての専門的な説明です。
(引用始め)
お酒を飲むと神経細胞の働きを抑制する神経伝達物質であるGABAの働きが高まります。
GABAが作用する神経細胞(GABAの受容体を持った神経細胞)は脳の各所にあるので、お酒を飲むと脳全体の活動レベルが低下するのですが、GABAの受容体を持つ神経細胞の密度が最も高いのは神経を司る前頭前野です。
そのためあるアルコールを摂取すると、真っ先に前頭前野の神経細胞の活動に影響がでます。起きていても少し意識が低下した状態になり、少し寝ているのに近い状態になります。
すると意識によって活動が抑えられていた脳各所の神経細胞の活動が活発になり、普段は見せることのない本能的な人格があらわれます。
飲食時に笑い上戸や泣き上戸になたり、怒りっぽくなるのは、脳各所の神経細胞が前頭前野による抑制から解き放たれた結果なのです。
さらにお酒を飲み続けると、…。
(引用終わり)
もしかすると、この文献が私の原稿のネタ元だったのかもしれません。
そうすると、コロナ禍を挟んで、足掛け4年の巡り会いか。
なるほどと思いつつ、最近は、酒を飲まずとも、本能的な人格が現れたかのような犯罪が目立つようになってきているようです…。
マスク外しが許され、コロナ禍終息の印象が拡がり、一気に人が動き出すであろうこれから。
コロナ禍前には気付かなかった出来事が、新しい秩序をさておいて、どんどん目の前に現れてくるのでしょうね。
対策は大丈夫なのか?……