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労働問題での経営者・管理者のスタンス-経営者の常識は危険!![メモ]〈経営者側・使用者側弁護士(札幌)の視点〉

労働問題・労使問題:前田弁護士の視点
以下は、社労士先生向けセミナー資料の抜粋です。
テーマ毎の具体的解説はこちらをどうぞ。

〇 労働問題の紛争類型・場面のキモ

1 長時間労働・未払い残業代問題

管理の責任と機械的計

長時間労働・未払残業代問題

2 パワハラ、セクハラその他のハラスメント問題

“関 係 性”

パワハラ、セクハラその他のハラスメント問題

3 解雇・退職勧奨の問題

世間の価値観と法制度の客観的理解+度胸
⇒ 決 断

解雇・退職勧奨の問題

4 メンタルヘルス問題

“人情”……どこまで対応できるかの実態・状況

5 使用者にとっての就業規則の意味

あるべき就業規則の規定がなければ、著しく使用者は不利
規定があるからといって、使用者に有利になるとは限らない

就業規則

6 労働組合・団体交渉対策、労働審判・労働訴訟対応

仕組みの理解・活用+リーダーシップ

労働問題・団体交渉問題

労働審判

労働訴訟

〇 使用者側の心構え

企業の屋台骨を揺るがす労働トラブル・労働紛争!!

1 企業法務においては、「トラブル」が「紛争」となる前に、また、「問題」が「損害」となる前に、手早く早期に解決することが最重要事項の一つ

2 しかし、「早期解決」も、現実逃避のために相手方と拙速に妥協するのが実態であれば、かえって、将来に火種を残し、円滑な企業経営を阻害する

3 処理のスピード化が、弁護士側の技術不足の隠蔽であったり、弁護士側の事務所運営の効率化のため(早期の報酬を確保)の方策にすぎないこととなれば、本末転倒

 

〇 経営者側が陥る根本的な4つの間違い

1 従来の経営手法や社会常識で物事を解決できる。
2 「事実」は一つ、誰が見てもはっきりしている。
3 結論が決まっていることを「時間と手間」をかけて話し合うのは無駄である。
4 「世間の物知り」の話に飛びつき、お手軽な方法で安易に対応

〇 労働問題に取り組む経営者・管理者のスタンス

1 経営者vs労働者の価値観・立場の違い・対立

[経営者側の思い込み]

〇 自分の理解・確信する経営手法や社会常識で物事を解決できるとの誤解

〇 価値観を変える必要はないが、世の中の動きをきちんと知らなければならない。
[労働者側]
〇 帰属意識の低下
〇 権利意識の高揚
〔時代背景〕 ⇒ 拍車

2 法律、裁判所(判例・裁判例)その他の制度の立場・姿勢:労働者を保護・労働者の優位

〇 法律は労働者に有利に定められている
〇 裁判所は、労働者よりの判断をするのが実際
〇 特に地方の労働委員会は……

3 積み上げ・書面化の重要性

〇 実態と手続の重視
〇 事実関係・意思の確定性・確実性、制度の実質
〇 証拠の確保

4 個別具体的問題としての把握、紛争化の経緯

特に中小企業の場合、常に、現実問題として存在する。
〇 経営者は気付かないか、気付かないふりをして先送りしているだけ。
〇 すべてを、今の問題と捉え、今必要な解決に結びつけて組み立てる。
〇 問題の発端まで遡る。

5 労働組合-合同労組、ユニオン

6 ブラック企業などとの汚名、風評被害

7 中堅中小企業の在り方

 

〇 お客さま(経営者・管理者)に伝えるべきこと

1 トラブル・紛争の発端・契機となる「問題社員」をきちんと見つめ、早期に解決すべきときは放置することなく迅速に対応し、徹底して争うべきときは、拙速に安易な妥協することなく対応していかなければならない。

2 できることとできないことをはっきり理解する必要がある。

3 変容する大きな流れの中で、就業規則の制定・見直しはもちろんですが、長い目で法律制度の動きと組織内の問題社員の動きにアンテナを張っていなければならない。

4 顕在、潜在にかかわらず、問題は、常に現実のものとして存在する。何か不安めいたことがあったら、早い時期から案件の具体的な状況を分析し、問題の核心を把握しておかなければならない。

 

附:判決書の構成

〇 最高裁の判決書の構成(原判決破棄の場合)

主     文

理     由
1 [紛争の概要]
「本件は、……を求める事案である。」

2 [事実関係(等)の概要]
「原審の確定した事実関係等の概要は、次のとおりである。」

3 [原審の判断]
「原審は、上記事実関係等の下において、要旨次のとおり判断し、上告人の請求を……すべきものと判断した。」

4 [最高裁の判断]
「しかしながら、原審の上記判断は是認することができない。その理由は、次のとおりである。」

5 (結論)
「以上のとおり、……」

 

〇 第1審の民事判決書の構成

主      文

事実及び理由
第1 請求

第2 事案の概要
[紛争の概要]
本件は、原告が、被告に対し、[主張]……として、………[請求]を求めた(る)事案である。
1 前提事実(争いのない事実等)
2 争点(「2 本件の争点」+「3 争点に関する当事者の主張」)

第3 当裁判所の判断(争点に対する判断)

 

前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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