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その書類、実は証拠かもしれません ― 相談時に弁護士へ見せるべきもの

証拠は最初から選別しない ― 法律相談の現場から

裁判となれは、証拠のぶつけ合いをする闘いです。
そうでなくとも、相手方との力関係の入れ方を検討する上で、役に立つのが証拠です。

何が証拠になるのか、どこまで用意すべきなのか。
その答えは、事件の内容や相手方の出方によって刻々と変わります。

だからこそ、法律相談の初期段階では、
「これは関係ないだろう」と判断せず、
関係がありそうなものはすべて弁護士に見せることが重要です。

一見些細な資料が、裁判の流れを決定づけることもあります。

が、証拠として何を用意すればよいかあらかじめ尋ねられても、そう簡単に答えることができる訳ではありません。時間をかけていろいろな視点から検討したうえであれば、必要な証拠がかなりはっきりしますし、裁判での相手方の出方次第によって、「この点が弱いのですが、◎◎はありませんか」とアドバイスもできるようになります。裁判は「生き物」であり、証拠もどんどん「進化」していくわけです。

 

ですから、私は、法律相談など始まりの時点では、質問に対し、「とりあえず取捨選択せずに、関係ありそうなモノ何から何まで全部!!」答えることにしています。本人がいらないと思っていたモノが、第三者の眼、法律家の眼から見ると、重要な証拠となることもありますから、自分の思い・考えで取捨選択をしてしまうことは、とても危険なことなのです。現に、1通のラブレターが決定的な証拠になったこともありました。

 

なお、次に掲載するモノは、札幌簡易裁判所が当事者に配布していた資料を参考に列記したものです。これ以外はいらないという意味ではありませんが、相談の段階であっても、手許にあるのなら、これらを最初から弁護士に見せておく必要があると考えてください。

○貸金

    1.  金銭消費貸借契約書
    2.  借用書
    3.  念書
    4.  メモ書き

○賃料

    1. 賃貸借契約書
    2. 重要事項説明書
    3. 賃料増額(減額)の通知書
    4. 家賃入金関係書類
    5. 家賃支払いの催告、契約解除の内容証明郵便と配達証明

○敷金返還

    1. 賃貸借契約書
    2. 重要事項説明書
    3. 敷金の預かり証
    4. 建物(部屋)の間取り図
    5. 内容証明郵便と配達証明
    6. 敷金の精算書
    7. 振込金受取書
    8. 建物(部屋)の明渡し時の室内写真
    9. 補修・クリーニング等の見積書・領収書

○修理代金

    1. 契約書
    2. 注文書
    3. 見積書
    4. 請求書
    5. カタログ

○交通事故の損害賠償

    1. 交通事故証明書
    2. 示談書・念書
    3. 事故状況説明書
    4. 車等の損傷部分の写真
    5. 車の修理の見積書・領収書

○売買代金

    1. 売買契約書
    2. 納品書
    3. 請求書
    4. 売掛台帳
    5. 買掛台帳

○賃金等

    1. 就業規則
    2. 平均月収の算出根拠になる計算書
    3. 給与・賞与の支払明細書
    4. 求人広告
    5. 退職金の基準となる資料
    6. 交通費内訳明細書
    7. タイムカード

前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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