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第32回 目先のことに目を奪われると損をする(前編)

月刊「財界さっぽろ」2014年2月取材

交通事故の相談事例

前田 今回は、ある交通事故の相談事例を前編、後編に分けてご紹介します。以下、談話です。

――去年、交通事故に遭ったのですが、まだ治療中なのに保険会社が治療費の支払いを止めるというんです。

前田 お怒りはごもっともですが、被害者の立場からも将来を見据えて方向性を確定すべき時期にきているかもしれません。健康保険を使えば、そう大きな負担にはならないのではないですか。

――交通事故だと、健康保険は使えないと言われました。

前田 保険外の自由診療の方が医療報酬が増えるので、そのような説明をする医療機関があるようですね。保険会社が医療機関に治療費を直接支払っているうちは気になりませんが、医療機関の言いなりになって健康保険を使わないでいると、損をすることがあるので注意してください。詳しくは、ネットで「前田尚一 健康保険」と検索し、確認してください。

――知らないと大損しますね。

前田 被害者だとしても、自分の権利は自分で守らなければなりません。また、治療を続けても、いつかは「症状固定」と呼ばれる〝もうこれ以上はよくならない〟段階となり、以降、原則として治療費は支払われなくなります。

ですから、後遺症が残るような場合は特に、将来を見据えた心構えと対策が必要なのです。目先の治療費ではなく、後遺症についての多額の補償を十分に獲得することに目を向ける必要があるのです。

――後遺症が残った場合は、どのような補償を受けられますか。

前田 補償(賠償)されるのは、「逸失利益」「後遺障害慰謝料」が主なものです。場合によっては将来の介護料も補償されます。

「逸失利益」は、後遺症が残って働きが悪くなったこと(労働能力喪失)による将来(労働能力喪失期間、原則満67歳まで)の減収分で算定されます。「後遺障害等級」は、第1級から第14級まであり、等級ごとに一応の「労働能力喪失率」が定められています。
最も軽い14級の場合ですと、労働能力喪失率は5%とされ、その分毎年年収が5%減ると考えられます。事故時30歳、年収300万円であれば、労働能力喪失期間は37年間となり、逸失利益は555万円と算定することになります。

もっとも、保険会社は労働能力喪失期間をとりあえず過大に限定して主張してくることが通例ですので、保険会社との闘いで勝ち取らなければなりません。

当事務所では、交通事故に関する法律相談は無料。弁護士費用は原則として完全成功報酬制です。

現在、電話相談(無料)も実施中ですので、ご利用ください。
次回は後編、「後遺障害慰謝料」についてご紹介いたします。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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