法律問題は、単純な○×では動きません。
人の感情、立場、力関係、情報不足、そして「誰に決定権があるのか」によって、結果は変わります。
「自分は正しいのに、なぜうまくいかないのか」
紛争では、そこに気付けるかどうかが、勝敗を分けることがあります。
今回は、実際の相談現場を踏まえながら、「判断を誤りやすい人の特徴」について整理してみま
紛争で重要なのは、「誰が正しいか」だけではありません。
法律問題や企業紛争について相談を受けていると、
「自分は間違っていない」
「相手が悪い」
「本来こうあるべきだ」
というお気持ちを強く持たれている方は少なくありません。
もちろん、それ自体は自然なことです。
しかし、実際の紛争では、
「自分がどう思うか」だけで結果は決まりません。
人間社会の出来事は、
・誰に決定権があるのか
・周囲からどう見えるのか
・どのような証拠があるのか
・力関係がどうなっているのか
・社会や組織がどう動くのか
によって、大きく変化します。
法律問題もまた、人間社会の営みの一部です。
そのため、
「正しいかどうか」だけではなく、
“現実がどう動くのか”
を見なければ、判断を誤ることがあります。
相談現場で、うまくいきにくいケースには、いくつか共通点があります。
例えば、
「できないことを、できるはずだと譲らない」
タイプ。
自身の価値観や信念を持つことは大切です。
しかし、紛争の場では、
「それを誰が判断するのか」
「社会や裁判所がどう見るのか」
を踏まえなければなりません。
理想と現実を切り分けられないと、
解決策そのものが見えなくなることがあります。
逆に、
「勝てる保証がなければ動かない」
というタイプもあります。
しかし、人間社会の出来事に絶対はありません。
重要なのは、
“保証”を待ち続けることではなく、
不確実性を踏まえたうえで、
どの時点で、
どのように動くかを判断することです。
歴史好きの方は、
「鳴かぬなら 殺してしまえ ホトトギス」
「鳴かせてみよう ホトトギス」
「鳴くまで待とう ホトトギス」
という、
織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の話をご存じかもしれません。
「自分は家康型で、待つタイプです」
とおっしゃる方もいます。
しかし、
家康は単に待っていただけではありません。
正面からぶつかれば不利な局面では無理をせず、
一方で、自分が力を発揮できる環境を、
長い時間をかけて作り続けていたように思います。
大きな戦略だけではなく、
その時々の戦術や現場運用にも細かく目を配っていたと言われています。
紛争でも企業経営でも、
重要なのは、
「感情だけで突っ走ること」
でも、
「保証を求めて止まり続けること」
でもありません。
現実を観察し、
力学を把握し、
自分の立つ位置を確認しながら、
次の一手を考えることです。
法律問題は、
単なる知識だけで解決するものではありません。
だからこそ私は、
「何が法的に正しいか」だけではなく、
“その判断が、現実の中でどう機能するのか”
を重視して、日々ご相談をお受けしています。
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