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人は「情報」より、「周囲の反応」で判断している ― 羽田空港で感じた“空気”の怖さ

人は、自分で判断しているようでいて、実際には「周囲がどう動いているか」に強く影響されています。
企業でも、組織でも、紛争でも、情報不足や空気によって判断基準が静かに変わっていくことがあります。
これは、昔、羽田空港で経験した小さな出来事から感じた話です。

人は「空気」で判断してしまう ― 羽田空港で感じた情報と判断のズレ

非常時には、情報をどこまで開示するかという問題が生じます。

混乱を防ぐため、一定の情報整理や段階的な説明が必要な場面もあるのでしょう。

しかし同時に、人は、情報そのものより、
「周囲がどう動いているか」
に強く影響されます。

昔、こんなことがありました。

私は、オフに妻と東京へ行きました。

土曜日に上京し、その日のうちに「ドラリオン」を観て、日曜日の夜に羽田空港から札幌へ戻るという、かなりの強行軍でした。

ところが、その日は雪の影響で、札幌行きの便が大きく乱れていました。

私たちが搭乗予定だった便も、なかなか状況が定まらず、結果として翌日午後まで便が取れませんでした。

強行軍の予定が、結果として妙に時間のある旅になってしまいました。

羽田空港で、少し印象的な出来事がありました。

妻はターミナル内のショッピング街を見たいというので、私だけ先にセキュリティゲートを通過し、搭乗エリア内へ入りました。

すると、札幌行きの前便が到着すらしておらず、ゲート周辺は多くの乗客で混雑していました。

私の搭乗予定便は「天候調査中」という表示になっていました。

しばらくすると、ゲート外にいる妻から携帯電話が入りました。

「欠航が決まったって場内アナウンスが流れてるよ」

しかし、ゲートエリア内では、依然として「天候調査中」のままです。

外と内で、与えられている情報が違う。

少し違和感を覚えました。

おそらく、搭乗エリア内の乗客に一気に情報を出すと混乱が生じるため、まず外側で調整し、その後、段階的に情報を開示しようとしていたのでしょう。

私は、担当者に、
「外では欠航というアナウンスが流れているようですが」
と尋ねてみました。

しかし返ってきたのは、
「そのような説明は受けていません」
という回答でした。

印象的だったのは、現場担当者自身も、本当に詳細を知らなかったように見えたことです。

つまり、誰かが悪意をもって隠していたというより、
組織全体が、部分ごとに異なる情報で動いていたのかもしれません。

しかし、だからこそ感じたことがあります。

人は、自分で判断しているようでいて、実際には、
「周囲にどう情報が流れているか」
に強く影響されるということです。

情報が不足すると、人は自分で考えるより、
周囲の反応を基準にし始めます。

周囲が落ち着いていれば安心し、
周囲が騒ぎ始めれば不安になる。

これは空港だけの話ではありません。

企業でも、組織でも、紛争でも、

・どの情報が共有されるか
・誰が先に知るか
・どの順番で説明されるか

によって、人の判断は大きく変わります。

そして、多くの場合、人は「情報そのもの」より、
「空気」
によって判断しています。

問題は、情報量だけではありません。

“何を基準に判断するか”

を失わないことが重要なのだと思います。

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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