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「全部守る」は本当に必要か ──ナフサ不足時代に問われる「切っても死なない設計」

「ナフサ不足」で日本を待ち受ける“6月危機” 高市内閣の支持率は下落 「今後、企業倒産はさらに増えていく」
デイリー新潮の記事(2026年05月26日)のタイトル

気候変動、エネルギー問題、AIによる構造変化、国際情勢の変動。
現代社会では、「何が起きるか分からない」という状態そのものが常態化しつつあります。
不確実性が増す時代では、重要になるのは、
すべてを守ろうとすることではなく、
何を維持し、何を削っても社会や組織が致命傷にならないのかを、先に整理しておくことなのかもしれません。
これは環境問題そのものの議論ではなく、
“変化耐性のある社会設計”の話です。

制御できない時代だからこそ、先に「切っても死なない部分」を整理しておく

最近、ナフサ由来製品やプラスチックを巡る議論を見ていると、少し気になることがあります。

議論が、しばしば、

「全部減らすべきか」
「全部維持すべきか」

という極端な方向へ流れやすいことです。

しかし実際には、現代社会は、想像以上にナフサ由来製品の上に成り立っています。

・医療用樹脂
・半導体製造材料
・食品物流
・農業資材

など、「止まると社会機能に直撃する領域」があります。

単純に「やめればよい」という話ではありません。

一方で、現実には、

「そこまで必要なのか」

という部分も、かなり混在しています。

例えば、包装一つを取っても、

・色付き包装
・過剰包装
・装飾目的の加工
・短期間で廃棄される演出用途

など、本当に社会維持に必要な機能と、そうではない部分が混在しています。

もちろん、快適性やデザイン性にも意味はあります。

しかし、気候変動、資源価格、国際情勢、経済変動など、制御できない巨大変動が常に起こる時代では、

「全部を維持し続ける前提」

そのものが、むしろ危うくなっていきます。

重要なのは、

何が本当に不可欠なのか
どこは代替不能なのか
どこは多少削っても社会全体としては維持可能なのか

を、一度、客観的に整理しておくことではないでしょうか。

例えば、

どの用途にどれだけ使われているのか
金額規模はどの程度か
代替コストはいくらか
性能低下はどの程度か
本当に困るのは誰か
単なる不便で済むのか
社会基盤に影響するのか

を、感情論ではなく、構造として整理する。

これは、「我慢論」ではありません。

むしろ、

“変化に耐えられる社会設計”

に近い考え方です(「BCP(事業継続)」、「レジリエンス設計」とも連動)。

本当に危険なのは、

全部を維持しようとして、
システム全体が重くなり、
どこも削れず、
結果として変化に対応できなくなること

だからです。

これは、社会だけの話ではありません。
これは資源問題に限らず、あらゆる複雑化したシステムに共通する話です。

企業経営でも、法律実務でも、組織運営でも、同じことが起きます。

本当に必要な工程と、
慣習で増殖した工程、
安心感のための演出、
「やっている感」のための作業――。

それらが分離されないまま積み上がると、
組織は重くなり、
判断は遅れ、
疲弊が進みます。

そして、維持コストが増え続けると、
変化時に資源配分そのものが硬直化します。

だからこそ、

「どこなら切れるのか」
「どこは絶対に切れないのか」

を、平時のうちに整理しておく。

「危機対応論」ではなく「平時の構造設計論」にも連動する。
つまりこれは、危機が起きてからの対応論ではなく、
平時から「どこまで維持するのか」を設計しておくという話でもあります。

それは、単なる削減ではなく、

制御不能な変化の時代に、
制御可能な部分を先に固定化しておく

ということなのかもしれません。

ここでの

  • AIによる業務再設計
  • 行政コスト
  • 中小企業経営
  • 医療体制
  • サプライチェーン
  • 法務実務

など、かなり広範囲に応用できるテーマになっていくと思います。

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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