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契約書チェックでは何を見ているのか――秘密保持契約(NDA)から考える実務の視点

契約書のチェックというと、「不利な条項を修正する作業」を思い浮かべる方が多いかもしれません。

もちろん、それも重要です。

しかし実務では、条項だけを見ているわけではありません。

契約全体の目的やリスク配分、相手との関係まで見ながら、どこを確認し、どこを修正するかを考えています。

契約書チェックでは、条項だけを見ているわけではありません

契約書チェックとは「条文の添削」ではありません

契約書のチェックというと、

「この条文は削除した方がよい。」

「この文言は修正した方がよい。」

という作業をイメージされることがあります。

もちろん、それも契約書チェックの一部です。

しかし実務では、それだけではありません。

まず確認するのは、

この契約は何を実現するためのものなのか。

という点です。


最初に見るのは契約全体の構造です

契約書には、

  • 誰が利益を受けるのか
  • 誰がリスクを負うのか
  • 将来どのような紛争を想定しているのか

という取引全体の考え方が表れています。

そのため、条文を一つずつ読む前に、

契約全体の構造を把握することが重要になります。


NDAでも考え方は変わりません

秘密保持契約(NDA)は比較的短い契約書です。

そのため、

「ひな形だからそのままでよい。」

と思われることもあります。

しかし、

  • 秘密情報の範囲
  • 利用目的
  • 開示先
  • 責任の範囲
  • 契約終了後の取扱い

などには、当事者の考え方が反映されています。

どの条項を修正するかは、その契約全体をどう見るかによって変わります。


修正そのものが目的ではありません

契約書を修正することが目的ではありません。

必要がなければ修正しないこともあります。

一方で、わずかな修正を求めることで、

「契約内容を理解した上で交渉している。」

という姿勢が相手に伝わることがあります。

その結果、その後の交渉や取引関係が円滑になることも少なくありません。

契約書チェックとは、単に赤字を入れる作業ではなく、契約全体を整理する作業でもあります。


AIができること、人が考えること

最近ではAIを利用して、

  • 条項の漏れ
  • 不利な規定
  • 一般的な修正案

を短時間で確認できるようになりました。

これは契約書チェックを効率化するうえで非常に有用です。

しかし、

  • 今回の取引で本当に守るべきものは何か
  • この条件で事業目的を達成できるか
  • 相手との関係をどう築いていくか

といった判断は、契約書だけから導けるものではありません。

実務では、契約書の外側まで含めて考えることが求められます。


おわりに

契約書チェックは、条文を修正するためだけの作業ではありません。

契約の目的やリスク配分、相手との関係を整理したうえで、

必要な条項を確認し、必要な修正を行うことが重要です。

当事務所では、契約書の文言だけではなく、契約全体の構造を踏まえて、実際の取引に役立つ契約書となるよう支援しています。


当事務所では、
目の前の法的正解だけではなく、
初動・情報整理・損失配分・将来維持可能性を含めた現実判断を重視しています。

実際の紛争や経営判断では、初動で何を整理し、何を守り、何を優先するかという判断が、その後の結果を大きく左右します。

そのため、法律的な見通しをご説明するだけでなく、状況や選択肢を整理し、依頼者の方が納得して判断できるよう支援することを大切にしています。

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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