法的問題では、
目の前の法律関係だけを見て結論を急ぐことで、
後に取り得たはずの選択肢が失われることがあります。
当事務所では、
表に見える争点だけでなく、
その背景にある構造や変化の可能性も踏まえて、
判断を組み立てています。
見えている法律関係だけで、判断は決まりません。
ある案件で、
賃貸借関係をめぐり、
約2000万円の請求を受けたことがありました。
形式上は、
通常の賃料トラブルとして整理される事案で、
裁判所も当初は、
請求が認められる方向の心証を持っているように見えました。
問題となったのは、
契約書に明示されていない部分の使用関係でした。
一般的には、
契約書に明確な記載がない以上、
目に見える法律関係だけを前提にすると、
賃借人側にとって厳しい展開になりやすい事案です。
しかし、
請求の背景や当事者の事業構造を踏まえると、
この訴訟は、
単なる契約関係の問題ではなく、
別の要因が影響している可能性があると考えられました。
そこで当事務所では、
短期的な勝敗に焦点を当てるのではなく、
時間の経過によって状況が変化することを前提に、
対応の組み立てを行いました。
具体的には、
不必要に局面を固定することなく、
一定の幅を持たせながら手続きを進め、
状況の変化に応じて
選択肢を残す形で対応を継続しました。
その結果、
相手方の経営環境に変化が生じ、
事業の承継が行われ、
最終的には、
当初の請求はすべて放棄される形で終結しました。
このような案件では、
当初の見え方だけで判断すると、
早期に結論を出す方向へ進みがちです。
しかし、
その判断によって、
本来取り得たはずの別の展開が閉ざされることもあります。
重要なのは、
目の前の法律関係だけで判断することではなく、
その背後にある構造や変化の可能性を踏まえて、
どの選択肢を残すかを考えることです。
当事務所では、
こうした観点から、
時間の使い方も含めて判断を設計しています。
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