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見えている法律関係だけで判断しないということ

法的問題では、
目の前の法律関係だけを見て結論を急ぐことで、
後に取り得たはずの選択肢が失われることがあります。

当事務所では、
表に見える争点だけでなく、
その背景にある構造や変化の可能性も踏まえて、
判断を組み立てています。

見えている法律関係だけで、判断は決まりません。

ある案件で、
賃貸借関係をめぐり、
約2000万円の請求を受けたことがありました。

形式上は、
通常の賃料トラブルとして整理される事案で、
裁判所も当初は、
請求が認められる方向の心証を持っているように見えました。

問題となったのは、
契約書に明示されていない部分の使用関係でした。

一般的には、
契約書に明確な記載がない以上、
目に見える法律関係だけを前提にすると、
賃借人側にとって厳しい展開になりやすい事案です。

しかし、
請求の背景や当事者の事業構造を踏まえると、

この訴訟は、
単なる契約関係の問題ではなく、
別の要因が影響している可能性があると考えられました。

そこで当事務所では、
短期的な勝敗に焦点を当てるのではなく、

時間の経過によって状況が変化することを前提に、
対応の組み立てを行いました。

具体的には、
不必要に局面を固定することなく、
一定の幅を持たせながら手続きを進め、

状況の変化に応じて
選択肢を残す形で対応を継続しました。

その結果、
相手方の経営環境に変化が生じ、
事業の承継が行われ、

最終的には、
当初の請求はすべて放棄される形で終結しました。

このような案件では、
当初の見え方だけで判断すると、
早期に結論を出す方向へ進みがちです。

しかし、
その判断によって、
本来取り得たはずの別の展開が閉ざされることもあります。

重要なのは、
目の前の法律関係だけで判断することではなく、

その背後にある構造や変化の可能性を踏まえて、
どの選択肢を残すかを考えることです。

当事務所では、
こうした観点から、
時間の使い方も含めて判断を設計しています。

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として35年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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