札幌の前田尚一法律事務所は、高額・複雑な建設請負紛争について、契約範囲・証拠・請求額・事業への影響を整理し、交渉や訴訟の判断基準を明確にします。
工事代金の請求に、追加変更工事、施工不良、工期遅延、工事中止が重なると、個々の言い分を並べるだけでは対応方針が定まりません。どの工事について、どの合意に基づき、いくら請求されているのか。反対に、どの損失について相手方の責任を問うのか。高額の建設請負紛争では、これらを分けたうえで、支払・回収・工事継続・訴訟への対応を結び付ける必要があります。
高額の建設請負紛争で、何を整理し、何を決めるか
――追加工事・出来高・工期遅延を一つの解決方針へ
1 請求総額を、そのまま争いの単位にしない
「多額の追加工事代金を請求された」「工事が止まったのに残代金を求められている」。こうした場面で、最初に決めるべきことは、請求全体を認めるか拒むかという二者択一ではありません。
当初契約の代金、追加変更工事の代金、既払金、未施工部分、是正費用、遅延による損害を分け、請求の内訳と対応する資料を確認します。
そのうえで、争いのない部分、法的評価が分かれる部分、資料が不足している部分を区別します。相手方の請求額と、こちらが主張する損害額を単純に差し引いても、法的な精算額が決まるわけではありません。
金額の大きさに反応する前に、その金額が何から成り立っているかを確かめる。
これが出発点です。
2 追加工事は、施工・発注・金額の合意を分ける
追加工事の争いでは、「実際に施工した」という事実と、「別途代金を支払う合意があった」という評価を分けます。
まず確認するのは、その工事が当初の見積りや契約に含まれていたか、誰が変更を求めたか、追加費用についてどのようなやり取りがあったかです。
例えば、現場担当者が「その方法で進めてください」と答えた場合でも、それが施工方法の了解なのか、追加発注なのか、提示金額の承認まで含むのかは、経過を確認しなければ分かりません。担当者の権限や会社側の対応も問題になります。
反対に、正式な変更契約書がないという一点だけで、追加代金の問題が終わるとも限りません。見積書、メール、打合せ記録、変更図面、施工後の対応をつなぎ、どこまでの合意が認められるかを整理します。
3 工事中止・中途解除では、現場と精算を同時に見る
工事が途中で止まった場合には、既に施工された部分の状態と価値、既払金、残工事、引継ぎ条件を確認します。
「進捗率が何%だから代金も何%」という計算だけでは、施工内容や不具合、契約上の扱いを十分に反映できないことがあります。また、新しい業者の見積額が、そのまま従前の業者に請求できる損害額になるとも限りません。
残工事、是正工事、当初計画からの変更を区別し、中止・解除の理由と契約内容に照らして、精算と責任の範囲を整理します。
同時に、工事再開の期限、現場の安全、資材や図面の引継ぎを確認します。精算の結論を待つ間に、現場の状態が変わり、損失が広がることもあるからです。
4 施工不良・工期遅延を、代金請求への反論につなぐ
注文者側では、「不具合がある」「完成が遅れた」という事情を、どの請求に対し、どの法的主張として用いるかを整理する必要があります。
不具合の内容、契約上求められていた施工、補修の要否と費用、遅延の原因、事業への影響を確認し、支払への対応と損害賠償の主張を区別します。支払を留保できる範囲も、契約と具体的な事情に即して判断します。
請負人側では、完成・引渡しの経過、変更指示、施工条件、是正への対応、代金請求の根拠を確認します。
技術的な争点については、建築士等による調査や評価が必要となる場合があります。その必要性と依頼範囲を定め、法律上の争点と対応させます。
5 資料は、争点と判断期限に合わせて整理する
建設請負紛争では、契約書、見積書、図面、工程表、議事録、写真、メールなどが大量に存在します。
資料を時系列に並べるだけでなく、「どの争点について、何を示す資料か」を明確にします。例えば、追加工事なら発注と金額の合意、遅延なら原因と工程への影響、出来高なら施工範囲と状態に対応させます。
資料が足りない事項は、不明なまま結論に混ぜず、確認する相手・方法・期限を定めます。裁判上の期限、回答期限、現場の変更予定などから逆算し、先に確保すべき証拠と、先に決めるべき対応を区別します。
6 交渉・訴訟の方針を、事業上の判断につなぐ
法的に主張できることと、会社として採る対応は、関連しますが同じではありません。
工事を再開する必要があるのか。取引関係を続けるのか。資金負担をどこまで許容できるのか。判決まで争う場合に、どの期間と費用を見込むのか。
当事務所では、法的な見通しとその不確実性を整理し、依頼者が選ぶべき事項を明確にします。法的な主張や訴訟遂行に関する判断は弁護士が担い、支払・和解・事業継続などの経営判断は、その材料を共有したうえで依頼者が行います。
7 当事務所の対応範囲と、相談時に確認する事項
札幌の前田尚一法律事務所では、建設請負紛争を注力分野の一つとしています。注文者側・請負人側の立場と契約関係を確認し、追加変更工事、請負代金、出来高、工期遅延、施工不良、工事中止・中途解除などの争点を整理します。
代表弁護士の前田尚一が、相談時の争点整理から、受任した事件の対応方針・交渉・訴訟を直接担当します。相談時には、資料の量、必要な技術的調査、期限、対応範囲を確認し、現在の体制で担当できるかを判断します。
相談にあたっては、契約書・見積書、相手方の請求書や通知、既払金の一覧、主要な変更経過、直近の期限をお示しください。すべての資料を整理し終えるまで待つ必要はありません。何が手元にあり、何が未確認かを区別できれば、初動の検討に入れます。
当事務所の相談では、請求の当否だけでなく、何を守り、どの順序で対応を決めるかを確認します。この進め方を前提に、下記の相談案内をご覧ください。






