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第10話 弁護士を従業員満足度向上に活用する

月刊「財界さっぽろ」2019年12月取材

EAPを実践することで生産性が向上する

注目されるのが「従業員支援プログラム(EAP)」

配達先から最寄りの配達員を割り出し、WEB上で仕事を依頼する宅配サービス「ウーバーイーツ」は、最新テクノロジーを駆使した斬新な働き方だと脚光を浴びました。

しかし、登録制の配達員は個人事業主という立場で雇用関係にはなく、配達中のケガは労災と認められないなどの問題が勃発。10月に労働組合が結成されました。

企業は「働き方改革」を有効に機能させるべきです。もし「生産性向上」へのアプローチが効率化ばかりに偏ると「ウーバーイーツ」のような事態となります。労働組合の結成は、労使のミスマッチの典型。やはり従業員に目を向け、福利厚生を充実させることに注力しなければ「生産性向上」を図るための「人手不足」への対応も実現しません。

そこで注目されるのが「従業員支援プログラム(EAP)」です。従業員のメンタルヘルスを通して、職場内または個人の問題を支援します。アルコールや薬物によって業務に支障をきたす事例が多いアメリカで発祥しました。
弁護士業界でもEAPを積極的に業務化する事務所が現れています。メンタルヘルスの法律問題というと長時間労働やパワハラを要因とするメンタル不調などが議論になりがちですが、もっと広く深い視点を持つべきでしょう。
なぜならメンタルの不調はプライベートもかかわってきます。企業の責任ではないにせよ、早い段階でメンタル不調を察知し、対策を講じられれば労使間での友好な関係を確立・維持するという「生産性向上」につながります。

 

従業員の福利厚生として弁護士を有効活用すべき

従業員は個人生活の中でも債務整理、交通事故、離婚、相続、不動産取引などさまざまな法的問題でメンタルに支障をきたします。企業が仕組みとして弁護士とマッチングさせることが有益です。
私自身、顧問契約では顧問先の従業員への法的サービスも当然のことと考えて対応してきました。実際、従業員とのコミュニケーションに優れ、彼らの能力を引き出すことに長けた経営者や管理者は、悩みを察知するのが得意で、従業員を当事務所に連れて来ます。
また、弁護士との間を取り持つことによって、従業員の安心感や満足感をもたらし、企業とより良好な関係になっていきます。
ただ、こうしたサービス自体あまり知られていません。当事務所では従来の顧問契約を前提としない「弁護士による従業員支援プログラム(EAP)について」の特設ページを公開しました。http://札幌弁護士.com/の「お知らせ・新着情報」からどうぞ(https://bit.ly/32jVdOeからもアクセス可)。なお、11月中旬以降であれば「尚一EAP」で検索すると表示される予定です。

前田尚一法律事務所:
フリーダイヤル 0120・48・1744

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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