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第45回 事業を継続するか、廃業するか…

月刊「財界さっぽろ」2015年07月取材

会社を守る法律講座

――中小企業の経営者から「赤字続きで信用金庫からの借入金が減らない」「後継者がいない」という悩みを聞くことがあります。事業を継続できればと思う一方で、本音は廃業したいと考えているケースもありそうです。  

前田 本心は決まっているのに先送りしていることがよくありますね。頭を整理するため、まず倒産となった場合の説明をします。  倒産手続きには「法的整理」(裁判所の関与と監督の下におこなわれる手続き)と「任意整理」(裁判所に頼らず債権者との間でおこなわれる手続き)があります。法的整理は、さらに破産、特別清算、会社更生、会社整理、民事再生に分けられます。

――倒産や廃業を選択せずに事業を続けるには、どうしたらよいのですか。

前田 倒産手続きは再建型と清算型に分けられます。法的整理のうち再建型に当たるのは、会社更生、会社整理、民事再生です。任意整理は自主的に進める場合にとれる方法ですから、やり方次第で再建型、清算型のいずれの場合もあります。

――事業を継続するには、再建型の手続を選べばいいのですね。

前田 そう簡単ではありません。企業を再建し、事業を継続できるかは、経営者の思いよりも客観的な状況で決まるからです。具体的には、売り上げの中から仕入れ、広告宣伝費、事務所の賃料、人件費などの経費を引いた上で、借り入れの返済ができるか否かが重要です。その上で経営者家族の生活費も賄える状態でなければ、再建といっても名ばかりで、いつかは身動きがとれずに意に反した結末を迎えることになるでしょう。  せめて営業利益が出る状況でなければ、再建は極めて難しいのが現実です。粗利さえも出ないということであれば、再建は諦めざる得ません。実態に目をつむり、事業継続を希望する経営者が多いですが、親兄弟や地元を離れている息子にまで連帯保証を頼んで借り入れを続け、結局破綻し、息子が給料を差し押さえられて勤務先に居づらくなったり、一生を台無しにしてしまうという事態にもなりかねません。

――経営者が希望するだけでは事業の継続は難しいということですね。

前田 一度、見たくないことも含め、見直しの機会を持つ必要があります。最近は景気上向きの傾向も見られ、M&Aなどの手法を用いて軟着陸できる機会も増えているように思います。先送りしてチャンスを失わないように現実を直視し、これからのあり方を客観的に判断してくれる専門家に直ちに相談する必要があるでしょう。   当事務所でも、このような相談に応じております。まずはご連絡ください(0120・48・1744)。

 

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校・北海道大学法学部卒。
私は、さまざまな訴訟に取り組むとともに、顧問弁護士としては、直接自分自身で常時30社を超える企業を担当しながら、30年を超える弁護士経験と実績を積んできました。
ただ、私独自の強みを生かすことを、増員・規模拡大によって実現することに限界を感じています。今は、依頼者と自ら対座して、依頼者にとっての「勝ち」が何なのかにこだわりながら、最善の解決を実現を目ざす体制の構築に注力しています。実践面では、見えないところの力学活用と心理戦について蓄積があると自負しています。

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