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株式非公開化が増えているという。しかし本当に問われているのは何か

株式の「大公開時代」号砲
スペースX上場、始まるバブルマネー争奪戦


日経電子版(2026年6月13日 11:00)の記事の見出しです。

 

一方、株式非公開化が増えているという記事を目にすることがあります。

アクティビストの影響、資本市場からの圧力、MBOやTOBの増加など、その理由は様々に説明されます。

しかし、実務の現場から見ていると、公開か非公開かという区分そのものよりも、別の問題が見えてきます。

それは、「誰が判断するのか」という問題です。

公開か非公開かではない。最後に残るのは判断主権の問題である

株式非公開化が増えていると言われています。

市場からの評価圧力が強まり、アクティビストの活動も活発になり、上場を維持するコストも増えている。その結果として、MBOやTOBを通じて非公開化を選択する企業が増えているという説明がなされることがあります。

もちろん、そのような側面はあるのでしょう。

しかし、実務の世界から見ていると、公開か非公開かという区分だけでは捉えきれないものがあります。

本当に問われているのは、誰が判断するのかという問題です。

上場会社であっても、創業者や創業家が強い影響力を持ち続けている会社はあります。

逆に、非公開会社であっても、金融機関やファンド、取引先などの意向を無視できない会社もあります。

公開か非公開かという形式だけでは、その会社の意思決定構造は分かりません。

近年は、市場からの評価を受けること自体が目的化しているような議論も見かけます。

・株価が上がる。

・時価総額が増える。

・市場から評価される。

しかし、それは企業活動の結果として現れる数字であって、本来の目的そのものではありません。

株式市場は企業を評価する仕組みですが、企業が市場の評価を得るためだけに存在しているわけでもありません。

評価指標が増えるほど、かえって「何のために経営するのか」という問いは見えにくくなることがあります。

もちろん、上場には資金調達機能があり、株主による規律付けや資本効率の向上といった意義もあります。

また、経営者と株主の利害のずれ(エージェンシーコスト)を抑制するという考え方もあります。

しかし、その先にあるはずの

「会社として何を実現したいのか」

という問いが抜け落ちることがあります。

それらの議論を前提としても、なお残るのは「誰が会社の将来について判断するのか」という問題です。

創業者一族であっても、市場から評価されることに喜びを感じることはあるでしょう。

周囲から様々な助言を受けることもあります。

しかし、本来は株価のために会社が存在するのではなく、会社の目的を実現するために株式制度や資本市場が存在しているはずです。

そして、本当に問われるのは、その会社の将来について、最後に誰が判断し、リスク負担は誰に帰属しているのかという問題です。

 

AIの議論でも似たことが起きています。

・AIを導入する。

・AI基盤を持つ。

・AI主権を確保する。

様々な言葉が語られます。

しかし最後に残るのは、

・誰が判断するのか。

・誰が責任を負うのか。

という問題です。

・公開か非公開か。

・AIを使うか使わないか。

そうした入口の議論は増えています。

しかし、実務の現場で最後に問われるのは、常に判断の問題です。

そして、その判断を誰が担うのかという問題は、これからますます重要になっていくように思います。

 

当事務所では、
目の前の法的正解だけではなく、
初動・情報整理・損失配分・将来維持可能性を含めた現実判断を重視しています。

 

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前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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