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問題社員の問題ではない ― 労働紛争から見える会社の本当の課題

解雇、未払残業代、ハラスメント、労働組合。

労働問題はさまざまな形で現れます。

しかし長年企業側で実務を行っていると、

問題の本質は別のところにあることが少なくありません。

表面に現れたトラブルは結果であり、

その背後には組織運営、情報共有、評価制度、意思決定など、

より大きな課題が存在していることがあります。

労働紛争をどう見るかによって、その後の会社の姿は大きく変わります。

表面に現れた問題だけを見ていては解決しない

企業経営において、

労働問題は突然発生するように見えることがあります。

ある日突然、

未払残業代を請求された。

ハラスメントの申告があった。

労働組合が結成された。

労働審判を申し立てられた。

しかし実際には、

その多くは突然発生したものではありません。

長い時間をかけて積み重なった問題が、

ある時点で表面化したにすぎないことが少なくありません。

そのため、

労働問題を単なる法的紛争として見るだけでは十分ではありません。

なぜその問題が発生したのか。

なぜその時点で顕在化したのか。

会社のどこに無理が生じていたのか。

そこまで見なければ、

本当の意味での解決にはつながりません。

私はこれまで、

解雇問題、

残業代請求、

労働組合対応、

労働審判、

労働訴訟など、

数多くの労働事件に関与してきました。

その中で感じるのは、

紛争そのものよりも、

紛争に至るまでの過程の方が重要であるということです。

問題社員だと思っていたら、

実は評価制度に問題があった。

ハラスメント問題だと思っていたら、

組織内の情報共有が機能していなかった。

労働組合との対立だと思っていたら、

経営陣と現場との認識が大きくずれていた。

そのようなことは珍しくありません。

もちろん、

法的に争うべき場面では争わなければなりません。

安易な妥協はかえって問題を大きくすることもあります。

しかし、

争うか和解するかという判断以前に、

何が起きているのかを正確に把握することが必要です。

当事務所では、

目の前の労働問題だけを見るのではなく、

会社全体の状況、

将来への影響、

経営上の課題を含めて整理しながら対応方針を検討しています。

労働問題は、

法務の問題であると同時に、

経営の問題でもあります。

そして多くの場合、

結果を左右するのは、

紛争が始まってからの対応ではなく、

問題をどのように認識し、

どのように整理するかという初期段階にあります。

前田 尚一(まえだ しょういち)
弁護士として30年以上の経験と実績を有し、これまでに多様な訴訟に携わってまいりました。顧問弁護士としては、常時30社を超える企業のサポートを直接担当しております。
依頼者一人ひとりの本当の「勝ち」を見極めることにこだわり、長年の経験と実践に基づく独自の強みを最大限に活かせる、少数精鋭の体制づくりに注力しています。特に、表面に見えない企業間の力学や交渉の心理的駆け引きといった実務経験は豊富です。 北海道岩見沢市出身。北海道札幌北高等学校、北海道大学法学部卒業。

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